手元供養本舗日記【~2010年2月】

ペットロスから立ち直るとき  3/12

ペットロスから立ち直るとき
愛犬レイアがくれた無償の愛
ハート出版
カタリナ房子

本当の「癒し」に言葉など必要がないのかもしれない。
少しでも澄んだ心で接すること、
相手の気持ちを思うことができれば、
おのずと「癒し」の態度になるのではないだろうか。
頭や理屈ではなく、心なのだと思う。
(「本文より」)

「悲しいことはを悲しむことは、少しも恥ずかしいことではない。
この本が何か一つ役に立てたらと・・・・・・・」
日本の犬は1000万頭。
飼い主10人に1人はペットロス。

ペットの生死をどう考えるか、ということはとりもなおさず、
自らの生死をどう考えるかということらもつながる。
ようやくペットロスというものが社会に認知されてきて、
ペットと飼い主、獣医師、心の専門家、そして周囲の人々が、
さまざまな方向から考えていく時代に入ってきた。
ペットを失ったら、悲しんでいいのだ。
(「本文より」)

もう深夜の一時をすぎていた。眠れば夢の中に出てきてくれるかもしれない。
それでもいいから会いたい。小さな希望を持った。
寝室に行く前、玄関を開けて外へ出た。無駄なことはわかっていても。
なかなか寝付けなかった。先ほど見た解剖所見が、目をつぶっても浮かんでくる。
あんなに痩せてしまって、檻の中に入れられたままだったのだろうか。
レイアは金属の音が大きらいだったから、さぞ怖かっただろうに。
あのカチャカチャと音のする爪も檻をひっかいてなくなっていたんじゃないだろうか。
『出して!!出して』
と悲痛な声で泣いていたんじゃないだろうか。
前日までよく食べていた、と所見には書かれているが、
なにも食べていなかったのだろう。ジャボ、ジャボと水も飲まなかったのだろう。
ただただ、私の帰りを待っていたのだろう。
美しい毛も、美しい瞳も、大きな体も、私が迎えにくるのを
必死で待っていただろう。
力尽きて苦しさにあえいで息絶えただろう。
息をひきとる最期になにを思い出しただろうか。
私とコロコロ遊ぶこと?ボール投げ?水遊び?黄色い自動車に乗ってドライブ?
レイア、私はどうすればいい?
レイアにどう謝れば・・・・・・謝ってすむことではない。
もう手遅れになってしまった。どうしよう。
どうしたら私はこの中から抜け出せるだろう。
レイアが生きて、たった今帰ってこない限り、私の苦しみは永遠に続くだろう。
私が一人苦しんですむならいい。
レイア私はあなたにとてもひどいことをしてしまった。
本当に、本当にひどいことを・・・・・・
レイアが息絶えるまでの五日間の苦しみから思えば、
私の今の苦しみは当たり前なのだ。
(本文「突然の別れ」より)

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