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犬の話し 3/2

犬の話



11年間飼ってた愛犬がなくなった。

死ぬ前の半年間、自分はろくに家に帰ってなくて、 世話もほとんどしなかった。その間にどんどん衰えてたのに、あまり見ることも触ることもなく、その日を迎えてしまった。


前日の夜に、もう私とはほとんど会話がなくなっていた母が、兄と一緒に私の部屋にきて「もう、動かなくなって、息だけしてるの。目も、開いたままとじれない。 最後だから、お別れしてきなさい。」と泣きながら言ってきた。

そこまでだったなんて知らなくて、びっくりして下に下りていったら、コタツに横たわってた。ほんとに息だけしかしてなくて、だんだん息も弱くなってるのがわかった。


怒りっぽい犬で、触るだけで唸るのに、その日は、なにも反応がなかった。母と兄と、3人で、泣きながら朝まで見守った。

結局次の日、単身赴任の父が帰ってきてすぐ息を引き取った。父のことが大好きだったから、きっと待ってたんだと思う。家族全員そろうのを待ってたんだな。って思う。



死ぬ間際に飲んだ水はすごくおいしかったよね。幸せだったよね。なによりも、本当にろくに家に帰らず遊んでばかりいて、あなたの世話をしていなかったことを悔やんでる。


父も母も兄も泣きじゃくる中、あたしは後悔ばかりが心に残って、 あまり泣くことも出来なかった。おまえが死んでから、おかあさんとも会話するようになったよ。

今まで、おかあさんの話し相手はおまえだったもんね。おまえのおかげで自分がどんなに親を悲しませてたかわかった。
犬にまであたしのこと相談するくらい、おかあさん悩んでたんだね。おまえが死んでふさぎがちだった母も最近元気になったよ。安心して眠ってね。

昨日、死んでから初めてあなたの夢を見ました。

朝起きて、泣きました。
ほんとうにありがとう。ばいばい。

この文は、//1yoshi.zero-city.com/html/inunohanasi.htmから転用しています。

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